楽天証券、「経済圏」でゲームチェンジ起こす

ポイント投資加速、顧客基盤拡大

楽天の三木谷浩史会長

 楽天証券が楽天グループの経済圏をテコに投資サービスを加速している。楽天のポイントを国内株式の取引に利用できるサービスを10月末に開始し、投資信託に同社のカード決済も使えるようにしている。証券業界で口座を月間約6万件のペースで増やしている楽天証券の勢いは目立つものの、異業種からの証券サービスの参入も相次ぐ。経済圏と連動する成長力が試される。  証券業界で熱を帯びてきたポイントによる投資サービスで先行してきたのが楽天証券だ。2年前から投信にポイントを使えるようにした。由井秀和常務執行役員は「長期間の投資や資産形成のきっかけを作るのに投資信託は向いている」と説明する。投信の最低購入金額が100円でポイントを利用しやすい。  ポイント投資をめぐる競争は株取引に広がっており、SBI証券とカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)の子会社が設立した証券会社は、共通ポイント「Tポイント」を使える投資サービスを春に開始。楽天証券もポイントの利用を拡充し、国内株の購入代金や取引手数料に充てられるようにした。NISA(少額投資非課税制度)にも対応して独自性を打ち出す。  また楽天証券は「楽天カード」のクレジット決済により投信の積み立てが可能なサービスを提供している。積立額の1%分のポイントも付与し、例えば毎月の積立額が1万円で100ポイントがたまる。「生活の一部として証券サービスを組み込む」(由井常務執行役員)ことで、投資へのハードルを下げる狙いだ。  証券市場では異業種の攻勢が強まっている。クレディセゾンは自社のクレジットカード決済で、株式や上場投資信託(ETF)に投資できるサービスを12日に始めた。ZホールディングスはSBIホールディングスと証券分野などで提携する。顧客基盤が大きい企業の参入が増える可能性もある。  一方、楽天証券も10月末の口座数が360万件に増えており、経済圏を回遊する膨大な会員を証券市場に誘導する余地は大きい。楽天グループの決済手段を活用できるのも強みだ。「証券サービスを富裕層だけでなく、幅広い層に提供する」(同)ために、経済圏が戦略の要となる。楽天証券は証券業界のゲームチェンジ(競争軸の劇的変化)を起こすことで、顧客拡大に弾みが付きそうだ。

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