シーテックで近未来のスマートモビリティー社会が見えてきた

独自の「シームレス・スマート・モビリティ・ソリューション」をコックピットで再現(アルプスアルパイン)

 電子部品各社がシーテックで力を入れた展示テーマの一つが自動運転だ。各社は自動運転の社会を見据えて、安心・安全・快適につながるさまざまな技術やアイデアを生かした製品や研究開発中の取り組みを披露した。開発品の先には、近未来のスマートモビリティー社会が見えてくる。  アルプスアルパインは2025年から30年頃の完全自動運転「レベル5」の社会を想定して、「シームレス・スマート・モビリティ・ソリューション」とそのコックピットを提案した。自宅でスマートフォンを使って目的地を設定するだけで、移動ルートなどを個人の行動履歴などから提示。乗車後まで自動車を取り巻く各種サービスをシームレスに(継ぎ目なく)つなぐ。栗山年弘社長は「今後もデバイスからシステム・ソフトウエアまでを融合させて付加価値を提供していきたい」とする。  モビリティー社会では、どんな技術やアイデアが必要になるのか。TDKは自動運転時の安全走行に寄与する製品で貢献する。グループの独TDKミクロナスが外乱磁界補正機能を備えた、3軸ホールセンサー「HAL39xy」を開発した。車の電装化や電動化に伴い、車内は車載電装機器や駆動モーターなどからさまざまな外乱磁界が発生している。開発品は検知すべき磁場だけを測定できる補正機能を備えたことで、360度までの回転角度と直線位置計測により、高い精度でシャシー位置やバルブ位置の検出などをする。  村田製作所は、自動駐車支援システム向けを想定したセンサー開発に取り組んでいる。人が運転席にいることを想定した現行品の検知エリアは近距離の場合で30センチメートル程度だが、開発中の防滴型超音波センサーは近距離で約10センチメートル、長距離で3―5メートルのスペースを検知する。近距離は隣の車との距離が非常に狭いスペースへのバック駐車、長距離は縦列駐車のスペース検知を想定。「自動運転を普及させるためには、このくらいの精度が必要」(センサ事業部商品技術部)という。23年頃の量産を目指す。  信号のない将来の交差点を予想して、京セラは交差点の安全を支える車同士や車と道路の通信(V2X)のインフラシステムを開発中だ。交差点の信号・周辺情報を収集・配信し、人と車の協調制御を行うV2I(車とインフラの通信)路側機と、逆光や暗闇など人の目で見えにくい場面でも歩行者や車両などを検知する遠赤外線カメラで、交差点を安全にスムーズに走行・通行できるようにする。  安全で快適なスマートモビリティー社会の実現に向けた各社の取り組みは、いっそう加速しそうだ。

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