東京メトロもJR東も導入拡大、列車制御「無線式」の効果

保守省力化・遅延早期回復も

 東京メトロ、JR東日本など鉄道各社が、次世代の信号保安システムで無線式列車制御システムの導入を拡大する。メトロは全線に採用する方針を固めた。JR東は新幹線やローカル線に展開を計画。東京都交通局やJR西日本、JR九州なども導入の準備を始めた。地上の信号設備を減らし保守の省力化が図れるほか、都市鉄道では遅延の早期回復といった輸送安定の効果も狙える。生産性が高まるとして国土交通省も普及を後押しする。  東京メトロは地下鉄全線に、欧州の都市鉄道で主流となっている無線式列車制御システム「CBTC」の採用を計画する。2023年度に国内で初めて丸ノ内線で運用を開始。同年度内に日比谷線、24年度に半蔵門線でも導入。残る線区でも既設信号システムを順次更新していく。東京都交通局も都営大江戸線へのCBTC導入に向けた準備に入った。  JR東は仙石線(写真=宮城県)と埼京線で運用している独自の無線式列車制御システム「ATACS」を、首都圏で山手線や京浜東北線などを候補に拡大を検討。新幹線ではドライバーレス自動運転も念頭に、次期自動列車制御装置(ATC)で無線化を見据える。JR西はATACSベースの無線式ATCを23年春、和歌山線に初めて導入する。  JR東は単線で列車密度の低い線区向けの無線式制御システムも開発し、19年度内に小海線(長野・山梨県)で運用を開始する。列車交換駅とその周辺のみで列車と通信する簡易型。拠点無線式の列車制御システムはJR西が境線(鳥取県)で運用しており、JR九州も19年から、自社営業線で導入に向けた実証試験に着手した。  国交省は都市鉄道、地方鉄道向けそれぞれで、事業者や学識経験者を交えた検討会や評価委員会を立ち上げて、普及促進を本格化する。相互直通の多い都市鉄道では仕様の統一が課題。地方鉄道向けはシステムを標準化することで、経営の厳しい会社にも導入しやすくしたい考えだ。

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