企業のビックデータ解析を支援!東大などが学術情報ネットを公開へ

2020年をめどに環境整備進める

産業利用の実現に大きな期待がかかる

 東京大学は国立情報学研究所、産業技術総合研究所と連携し、2020年度をめどに超高速回線の学術情報ネットワーク「SINET」(サイネット)を企業に開放する。世界最高レベルのデータ転送速度を持つSINETに光波長多重通信の技術を導入する。データ転送能力を2―3倍に引き上げ、企業などが活用できる環境を整える。東大の柏II(ツー)キャンパス(千葉県柏市)で3者が施設やシステムの整備を進める。  SINETの産業利用により、気象衛星の情報やスマートフォンの位置情報などのビッグデータ(大容量データ)を活用した自動運転技術の実用化や、物流の効率化、自然エネルギーの最適化などが期待できるという。全国の大学・研究機関を結ぶことから地方の産学連携にも貢献する。  SINETは全都道府県の大学・研究機関など約900機関を結ぶ光ファイバーの情報通信ネットワーク。1秒当たり100ギガビット(ギガは10億)のデータ容量を転送でき、インターネットより大幅な高速通信が可能。遠隔地からスーパーコンピューターでデータ解析したり、加速器や遺伝子データのバックアップを送受信したりするのに有効だ。  計画では、1本の光ファイバーに複数の異なる波長の光信号を同時に乗せる光波長多重通信技術をSINETに導入する。データ転送能力を高めて産業利用分を作り出す。  利用料など民間開放に伴う課題は、情報学研や文部科学省などで詰める。すでに個人のモバイルデータのSINET接続も情報学研が18年度から試行を始めた。これまで民間企業は大学の共同研究などでしかSINETを使えなかった。  東大の柏IIキャンパスでは、産総研が8月にクラウドデータ活用のスーパーコンピューター「ABCI」を稼働、システム整備を進めている。

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