「学長の仕事は資金を取ってくること」

東京理科大学学長・松本洋一郎氏インタビュー

松本洋一郎学長

 日本最大規模の理工系私立大学の東京理科大学。2016年に策定した長期ビジョンで「日本の理科大から、世界の理科大へ」を掲げた。東京大学、理化学研究所の理事を経験した松本洋一郎学長に、東京理科大の研究の潜在力を引き出す戦略などを聞いた。  ―研究レベルの高さの割に、外から研究者の顔が見えません。  「本学は論文の数は出ているが引用が十分でない。研究の競争的資金ももっと取れるはずだ。海外の一流大学は、研究の競争的資金獲得とその間接経費で伸びている。学術の自由は社会貢献など責任を果たした上でのもの。潜在力を最大限に引き出したい」  ―経歴を生かしたネットワーク活用が期待されます。  「学長の仕事は資金を取ってくることだ。本学のライフサイエンス研究を外部の病院の臨床研究とつなげたり、国の助成事業を活用したり、さまざまなチャンネルを活用する。大型プロジェクトをマネジメントするプロジェクトマネジャー(PM)も育てたい」  ―産学連携での外部資金獲得も魅力です。  「教員が週1日で産学共同研究やベンチャーの活動をするなどの時に、学校法人で持つ事業会社側で従事する形が考えられる。これなら大学人の立場との利益相反も防げる。また研究・教育で優れた教員を評価し、他の部局でもその手法を共有できる仕組みづくりに着手する」  ―学長による教学(教育と学問)と理事長による経営と、任務が分かれた組織は初めてですね。  「互いに説明責任を持ち、緊張を保った関係は組織として健全であり強い。私立大学は国立大学や公的研究機関と異なり、自由度が高い。投資判断など経営がしっかりしていれば大きく変わることができる。ただし教員は納得しないと動かないもの。エビデンス(根拠)に基づく議論を学長室で展開していきたい」

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