ビール各社、第三のビールで高アルコール・味わい追求へ

酎ハイで成功した高アルコールは第三のビールでも受け入れられるか?

新商品を紹介する高島サッポロビール社長(右)

 大手ビール各社が第三のビールのテコ入れを図っている。第三のビールは2014年以降に4年連続で減少が続いている。高アルコールで好調な缶チューハイ市場への流出がその要因の一つと指摘される。それでも第三のビールはビール類で約35%を占める重要市場だけに、各社が高アルコールやビールに近い味わいを高めた新商品を相次いで投入。漸減傾向に歯止めをかけようとしている。  「高アルコールで良い商品ができた」。サッポロビールの高島英也社長は、6月に発売する第三のビールの新商品「LEVEL9贅沢ストロング」を胸を張って紹介する。第三のビールとしてはアルコール分を初めて9%に高めたのが特徴。缶チューハイでけん引している、9%のストロング系をターゲットにしているようだ。  同社によれば、第三のビールから缶チューハイへの流出の背景に、飲み応えや高いアルコール度数を求めるニーズがあるという。その一方で、第三のビールには素材感が不足していると指摘。原料に麦芽や大麦を加えるとともに、ホップを2分割添加するなどにより「ビールらしさ」を両立したとしている。  キリンビールも強気だ。18年1―3月期の第三のビール販売は、前年同期比13%増と好調。けん引したのが、1月発売の高アルコール商品の「のどごし ストロング」と、3月に投入した新ブランドの「本麒麟」だ。特に本麒麟は低価格ながら「ビールに近い味覚」を強調したのが特徴。一部にドイツ産ホップを使用し、長期低温熟成により実現したという。  発売1カ月で140万ケース(1ケースは大瓶20本換算)を突破し、年間販売計画の約3割を達成した。布施孝之社長は「需要に供給が追いついていない状況」と説明し、増産体制を整えている。  さらに、第三のビールではトップブランドの「のどごし〈生〉」をリニューアルし、同市場での巻き返しを狙う。  サントリービールは18年の第三のビールの販売で、前年比2%増を狙う。主力の「金麦」は前年並みを維持しながら、アルコール度数8%の「頂〈いただき〉」を2月に投入。同ブランドで前年比2・1倍強の480万ケースを計画し、上積みする。  さらに17日にはアルコール度数7%で糖質ゼロの「頂〈極上ZERO〉」を発売した。うまみ麦芽やアロマホップを使用したのが特徴で飲み応えを強調している。 (文・井上雅太郎)

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