Kawasakiの“じゃじゃ馬”が世界で愛されるために
川重の2輪事業、「日本品質」をグローバルで
船や鉄道車両などBツーB製品の多い川崎重工業で、モーターサイクル&エンジンカンパニー(MC&E)は唯一BツーC製品を手がける。2輪車は“じゃじゃ馬”と評される独特の操作性などからファンが多く、確固たる地位を築いている。
川重の2輪車は排気量125ccクラス以上の大型バイクが中心だ。大型バイクは趣味で乗る用途が多く、それだけにMC&Eカンパニープレジデントを務める常務取締役の太田和男は「製品戦闘力をあげて収益力を高めるとともに、ブランド力の向上で、一生涯乗ってもらえる“生涯顧客”の囲い込みが欠かせない」と強調する。
ブランド力の面で、国内では専売店の拡充や店舗意匠の統一を数年かけて取り組む。そして、生産現場で取り組んでいるのが、サプライチェーンの大部屋化。MC&Eの生産拠点は明石工場(兵庫県明石市)のほか、カワサキ・モータース・タイランド(KMT)など東南アジアに多い。
大部屋化は、とある国で作った部品を、別の国に輸出して2輪車に仕上げる方法だ。設備投資を抑えられ、生産台数の変動にも対応しやすく、製品収益性にも好影響を与える。太田は「順調に取り組めている」と認識する。
明石では付加価値の高い大型排気量車種を手がける。KMTでも中―大型排気量車種を生産し、先進国に輸出している。
明石からKMTに先進国向けモデルの生産移管が始まった01年以降、カワサキプロダクションシステム(KPS)の徹底や現地従業員の教育を重ね「日本製に近い品質の製品を作れるようになってきた。今後は日本製品の質を超えるようにもっと育成に力を入れる」(KMT社長の川上康)。
太田はカンパニー全体がより一体となる“One Kawasaki”を今後のキーワードに据える。全員が一体となり「ただ生産量を増やすのではなく、高品質な製品を一丸となって開発し、収益力と投下資本利益率(ROIC)の向上を目指す」。太田は16年12月にプレジデントに就任したばかり。挑戦の日々は続く。
(敬称略)
川重の2輪車は排気量125ccクラス以上の大型バイクが中心だ。大型バイクは趣味で乗る用途が多く、それだけにMC&Eカンパニープレジデントを務める常務取締役の太田和男は「製品戦闘力をあげて収益力を高めるとともに、ブランド力の向上で、一生涯乗ってもらえる“生涯顧客”の囲い込みが欠かせない」と強調する。
ブランド力の面で、国内では専売店の拡充や店舗意匠の統一を数年かけて取り組む。そして、生産現場で取り組んでいるのが、サプライチェーンの大部屋化。MC&Eの生産拠点は明石工場(兵庫県明石市)のほか、カワサキ・モータース・タイランド(KMT)など東南アジアに多い。
大部屋化は、とある国で作った部品を、別の国に輸出して2輪車に仕上げる方法だ。設備投資を抑えられ、生産台数の変動にも対応しやすく、製品収益性にも好影響を与える。太田は「順調に取り組めている」と認識する。
明石では付加価値の高い大型排気量車種を手がける。KMTでも中―大型排気量車種を生産し、先進国に輸出している。
明石からKMTに先進国向けモデルの生産移管が始まった01年以降、カワサキプロダクションシステム(KPS)の徹底や現地従業員の教育を重ね「日本製に近い品質の製品を作れるようになってきた。今後は日本製品の質を超えるようにもっと育成に力を入れる」(KMT社長の川上康)。
太田はカンパニー全体がより一体となる“One Kawasaki”を今後のキーワードに据える。全員が一体となり「ただ生産量を増やすのではなく、高品質な製品を一丸となって開発し、収益力と投下資本利益率(ROIC)の向上を目指す」。太田は16年12月にプレジデントに就任したばかり。挑戦の日々は続く。
(敬称略)
日刊工業新聞2017年3月10日