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鉄スクラップ1000トン再生…大林組が都内で着手、循環利用の効果

鉄スクラップ1000トン再生…大林組が都内で着手、循環利用の効果

解体工事で発生する鉄スクラップを水平リサイクルする(イメージ)

大林組は26日、解体工事で発生する鋼材(鉄スクラップ)を新築工事で循環利用する水平リサイクルの仕組みの構築に着手したと発表した。建材商社や金属リサイクル事業者、電炉鉄鋼メーカーと連携し、解体から建設現場での再利用に至るまでの輸送ルートと事業者選定の最適化を目指す。

第1弾として、東京都港区の解体工事で発生する鉄スクラップ約1000トンを電炉鋼材に再生し、大林組が施工する新築工事で使用する。これにより、新材(高炉鋼材)を使用する場合に比べて製造時の二酸化炭素(CO2)排出量を約60%削減する。

同社は2024年度に、首都圏と関西の建設現場で鉄スクラップを水平リサイクルする工程の適用を開始し、輸送のノウハウを蓄えていく。さらに25年には全国の各事業者との連携を進め、対象地域の拡大を図る。

建設現場での鉄スクラップのリサイクルは、金属リサイクル事業者による回収・輸送を経て電炉鉄鋼メーカーで再生し、建材商社などを介して再び鋼材(電炉鋼材)として供給されるケースがあった。

ただ、これまでは各社の経済合理性が優先され、輸送時のCO2排出量の削減を考慮した手順になっていなかった。

日刊工業新聞 2024年11月28日

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