使用済みナイロン製品を水平リサイクル、ホンダ・東レが開発したモノマー化技術の実力
ホンダと東レは、使用済み自動車から回収した樹脂「ナイロン6」を原料として、再び同じ種類の製品を製造する「水平リサイクル」の共同実証を始めた。回収したインテークマニホールドを原料とし、亜臨界水を溶媒に用いて高効率の水平リサイクルのスキームを国内で構築する。2025年度をめどに東レの名古屋事業場(名古屋市港区)で樹脂処理量が年500トン規模のパイロット設備を稼働し、27年ごろの実用化を目指す。
両社は亜臨界水を使って回収したナイロン樹脂を分子状態に戻す「モノマー化」に成功している。
モノマーは強度、耐熱性、耐摩耗性などに優れるエンジニアリングプラスチックの原料。
両社が開発したモノマー化技術は、従来の酸性触媒より環境に優しく、約5分の1の短時間で高効率にモノマーを製造できる。
今回の共同実証はこの技術を活用し、低環境負荷で高効率にバージン材と同等の性能と品質を持つリサイクル材をつくるスキームの構築を目指す。自動車以外にも衣料やフィルムなどへの貢献効果も検証する。
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日刊工業新聞 2023年09月21日