国内最高の垂直搬送力、「国内最高層ビル」新築工事に適用するエレベーターの性能
清水建設が開発
清水建設は超高層ビル建設工事の揚重作業向けに、搬器を大容量化し可変速制御機能を備えたエレベーター「SEC―5000RS=写真」を開発した。搬器の防振化により低騒音化も実現した。東京都中央区で進める日本橋1丁目中地区建設工事で1号機が稼働したのに続き、2、3号機を東京都千代田区で建設中の国内最高層ビル「Torch Tower」の新築工事に適用する。
清水建設が基本機能の企画・設定や実機の性能調査を実施。三成研機(埼玉県日高市)が実験装置の基本設計・製作、エスシー・マシーナリ(横浜市瀬谷区)が仕様の検討と実験を担当した。騒音源となる駆動部から搬器を分離して防振化した結果、騒音が約80デシベルと現行の汎用的な工事用エレベーター(最大積載荷重3トン)に比べ低減できた。
内寸は幅5・8×奥行き2・16×高さ3メートル、最大積載荷重は5トンと国内最高の垂直搬送性能を実現した。従来の3トンタイプに比べ、搬器の床面積は4・4平方メートル増の12・53平方メートルとなった。今後、他の超高層ビルの建設にも活用することで施工の効率化を図るほか、受注競争力や利益率の向上につなげる。
日刊工業新聞 2024年9月12日