日系の昇降機メーカー、中国減速でインドに照準

フジテックはエレベーター製造棟、22年に稼働へ

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フジテックのインド工場と研究塔

日立も新工場検討

フジテックはインド南部チェンナイ近郊の既存工場内にエレベーターの製造棟を新設し、2022年春をめどに稼働する。生産能力は工場全体で年間約2000台となる。日立製作所もインドでの工場建設を検討中だ。インド市場は中国に次ぐ世界第2位の規模を誇り、中長期的な成長が期待される。中国恒大集団の経営危機に代表される不動産投資の減速は中国事業への過度な依存に警告を発しており、インドの重要性が一段と高まっている。

フジテックは印タミル・ナドゥ州の工場敷地内で新たな製造棟の建設が終わり、現在稼働に向けた準備を進める。製造棟は従来の1棟から2棟に増えるほか、同時に研究塔も新設する。

同社は個別の投資額を明らかにしていないが、インド工場増設を含む2021年度の海外向け設備投資は31億円を予定。

インド市場は新型コロナウイルス感染拡大で一時的に落ち込むが、通常なら年間5万―6万台のエレベーター需要がある。日本市場は約2万台で、中国は60万台以上とみられる。ただ、インドは中国よりも低価格志向が強く、それに合わせてインド国内で研究開発から生産まで完結する一貫体制が事業拡大のカギとなる。同社はインド工場を他国への重要な輸出拠点としても位置付ける。

日立製作所は引き続き、インドでの工場建設を検討している。ただ、20年からの新型コロナ感染拡大がその検討をより難しくし、決断に至っていない。

もともと中・高価格帯の得意な日本の昇降機メーカーにとって、インドは攻略しにくい市場だった。日本勢ではほかに、三菱電機が16年からベンガルールに工場を構え、東芝グループも11年にインド市場に参入している。今後、海外展開を加速する上でインド市場攻略は避けて通れない。中国経済の減速懸念により、インド事業への本気度が問われている。

日刊工業新聞 2022年1月17日

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日立製作所

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