静電容量1.5倍…TDKが量産、車載向け積層セラミックコンデンサーの機能
TDKは10日、車載向けの積層セラミックコンデンサー(MLCC)を開発し、日本国内で量産を始めたと発表した。金属端子が付いたMLCCを2―3個、横に並べた電子部品。3個を横に並べた部品は2個を縦に重ねた従来品と比べ、静電容量を1・5倍向上した。電気自動車(EV)の非接触給電といった大電流を流す場面で活用できる。当初の生産個数は月間10万個を想定する。
価格は1個当たり消費税抜きで400円から。本荘工場西サイト(秋田県由利本荘市)で生産している。家庭用コンセントからEVに充電時、交流を直流に変換するために電圧をなだらかにする用途での使用も想定する。
新製品「CAシリーズ」は金属端子の材料や構造を変えたことで抵抗や発熱を小さくし、従来品「CKGシリーズ」よりも抵抗成分や発熱量をそれぞれ約60%小さくした。また、MLCCと金属端子の接合方法に嵌合(かんごう)接合を追加し、部品が脱落するのを防ぐ。
CAシリーズは二つを並列したものと、三つを並列したものをそろえた。特に車載向けの電子部品には衝撃や温度変化への耐性が求められる。金属端子を付けたMLCCの採用により、基板と電子部品のハンダ接合部などに亀裂が入るのを防げる。
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日刊工業新聞 2024年9月11日