シャープ新社長に沖津氏、選ばれた理由
シャープは26日、沖津雅浩副社長(66)が社長に昇格する人事を発表した。呉柏勲社長(46)は社長を退くが、代表取締役は継続する。27日の定時株主総会と取締役会で決議された場合、同日付で就任する。
株主総会前日に社長交代を発表する異例の事態で、呉氏は2024年3月期までの2年間で計4100億円超の当期赤字を計上した責任を取る形になる。ただシャープは今回の人事について「呉社長が経営責任をとるわけではない」と説明。呉氏の職位やその他の役員体制を株主総会・取締役会の決議後に発表するとした。
シャープは液晶パネルや半導体などのデバイス事業を縮小して人員削減も進め、家電やオフィス機器、通信といったブランド事業に経営資源を集中する事業構造転換を進めている。シャープは今回の人事について、事業構造転換に向けた体制の検討を重ねた結果、家電事業などを長くけん引してきた沖津氏が社長に適任と判断したと説明している。
沖津氏はシャープの生え抜きで、中国での駐在歴もある。16年にシャープが台湾・鴻海精密工業の傘下に入ってからも家電事業などを担当し、22年6月に呉氏が社長に就任したのと同じタイミングで国内事業を担当する副社長に就いていた。
【略歴】沖津雅浩氏(おきつ・まさひろ)80年(昭55)京都工芸繊維大工芸卒、同年シャープ入社。13年執行役員、17年常務執行役員、19年専務執行役員、22年副社長。京都府出身。
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日刊工業新聞 2024年6月27日