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洋上風力産業、産業界一体で就職後押し

洋上風力産業、産業界一体で就職後押し

洋上風力の設計や建設などに携わる人材育成の重要性が高まっている(イメージ)

電力会社や商社など洋上風力発電事業者9社と海洋産業研究・振興協会(東京都港区)は、洋上風力の設計や建設、運営保守などに携わる人材育成を産学連携で進める協議会「洋上風力人材育成推進協議会」を立ち上げた。求められる人材像や分野を検討し、2025年度をめどに全国の大学や高等専門学校に講師を派遣したり、副読本を配布したりする計画。今後、洋上風力に関連する造船や建設業界などの企業にも参画を促し、産業界一体で洋上風力産業への就職を後押しする考えだ。

同協議会に参画したのは、グリーンパワーインベストメント(東京都港区)、丸紅洋上風力開発、九電みらいエナジー(福岡市中央区)、三菱商事洋上風力、ENEOSリニューアブル・エナジー、JERA、三井物産住友商事、東京電力リニューアブルパワーの9社。

洋上風力発電所のプロジェクト検討から建設、運営保守などの各工程で必要な人材を検討する。その上で、大学や高専の教育課程検討に協議会が協力するなどして、技術的な素養と就職先としての関心を高める。経済産業省の支援を受け、各専門分野の技能を整理した副読本も24年度中に作成する。

洋上風力発電施設の建設支援船

政府は、洋上風力発電について30年に1000万キロワット、40年に3000万―4500万キロワットの案件を形成する目標を掲げる。拡大に伴う人材不足が懸念される一方、企業単位では人材育成が困難と判断して、協調による育成の取り組みを決定した。

日刊工業新聞 2024年06月24日

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