使用可能面積99%以上に拡大…旭化成が「窒化アルミ単結晶基板」で成功
旭化成は2024年度下期から、直径4インチ(100ミリメートル)の窒化アルミニウム(AlN)単結晶基板のサンプル提供を始める。AlN基板の使用可能面積を従来の80%から99%以上に拡大することに成功した。27年の実用化に向け、顧客ニーズを捉えつつ研究開発を加速する。
子会社の米クリスタル・アイエス(ニューヨーク州)が手がける。AlNは炭化ケイ素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)に比べて電力損失が少ないなどの特徴があり、パワー半導体向けなどでの需要を想定する。実用化には大口径化が重要で、23年8月には4インチ化に世界で初めて成功した。半導体デバイスメーカーへのサンプル提供を通じ、コスト面などの改善につなげる。
4インチのAlN基板は深紫外線(UV―C)発光ダイオード(LED)向けでも使用する考えだ。
日刊工業新聞 2024年6月20日