離着水・海上航行で観測、五洋建設が開発したドローンの機能
五洋建設とプロドローン(名古屋市天白区)は、離着水と海上航行が可能な海洋観測用の飛行ロボット(ドローン)を開発した。海上工事の施工管理の効率化や施工の可否判断の迅速化に役立つ。空撮により、災害時には陸上と水中の両方の状況を速やかに把握できる。今後は多項目水質計や採水器の搭載など海洋計測の機能を拡張し、海上工事における海域環境の保全・調査にも活用する予定。
離着水が可能なドローンに高精度な全地球測位衛星システム(GNSS)、スラスター、測深ソナーを搭載した。水深測量では測深データを無線で操作画面上にリアルタイムで表示。このため水中作業の進捗(しんちょく)状況や土砂投入量の過不足を把握でき、作業継続に関する判断の迅速化が可能だ。
波浪観測では、GNSSデータから算出した波高・周期を操作画面上にリアルタイムで表示することで現地の波浪状況を把握でき、施工の可否判断の迅速化につながる。波高計による観測結果との差が平均で10%以内で、施工管理上、実用的な精度であることを確認している。
日刊工業新聞 2024年6月12日