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山岳トンネル工事を省人化、防水シート溶接を自動化するスゴイ仕組み

山岳トンネル工事を省人化、防水シート溶接を自動化するスゴイ仕組み

開発した防水シート自動溶着システム

五洋建設は大栄工機(滋賀県長浜市)と共同で、山岳トンネル工事における防水シートの溶着作業を自動化する仕組みを開発した。足場台車にガイドレールを取り付け、溶着機を移動させる。このほど長崎県内の建設現場で検証し、従来の品質を保ったまま省人化できる効果を確認した。他の現場へも導入し、防水シートの展張や溶着部の品質管理などの自動化も目指す。

五洋建設などが手がける「佐世保道路 弓張トンネル工事」で採用。防水工24メートルの区間で実証実験を行い、従来は3人を要していた作業を監視役1人で自動で行えることを確認した。併せて加圧試験も行い、溶着部の品質も問題ないことを確かめた。作業時間は変わらないものの、足場内での苦渋作業や配置する熟練の溶接作業員の数を削減できる。

防水シートの溶着作業は従来、作業員3人がトンネル周方向に溶着機を手渡ししながら作業している。ただ狭い足場台車上で溶着機を扱うことから、高所での苦渋作業として改善が求められていた。

また防水シートは吹き付けコンクリートの凹凸に合わせて施工するため、十分なたるみをもたせるなど熟練の作業員に依存する部分が多かった。

日刊工業新聞 2023年02月14日

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