LIXILが「木製窓」初投入、耐朽性を高めた国産使用
LIXILは一戸建て住宅向けに、国産の木材を使った窓を2025年度前半に投入する。同社が木製窓を発売するのは初となる。無垢材とアルミニウム押し出し材を組み合わせた構造で、スリム化や大開口による眺望性、デザイン性を向上する。リビングに多い引き違い窓を主な対象とし、将来的に木製窓の市場シェア10%獲得を目指す。
新製品は省エネルギー性の観点から、木材が持つ高い断熱性能に加えて冬場に日射熱を取り入れるよう工夫する。伐採して使うとともに植樹する循環利用がしやすい国産木材を採用することで、国内の森林保全や二酸化炭素(CO2)削減を図り、地球温暖化防止に貢献する。
窓枠の建材は一般的にアルミや樹脂が使われ、木材が占める市場の割合は10%未満だという。木製窓は断熱性能が高い一方、劣化しやすく手入れに手間がかかる点が課題だ。新製品では国産木材に耐朽性を高める処理を施した建材を使い、メンテナンス性を高める。
新製品の価格は自社比で上位を想定。「まずは新築住宅向けに、木材にこだわる既存顧客をはじめ幅広い客層に提案したい」としている。
LIXILは23年に窓とドアのブランド「TOSTEM」において、環境負荷軽減と快適さを追求した窓を「GREEN WINDOW」と定義。樹脂とアルミの複合窓「TW」や樹脂窓「EW」などを展開する。顧客の選択肢を広げるため、無垢材を使った木製窓の開発を進めている。
日刊工業新聞 2024年06月03日