作業時間36%短縮、大林組がAI配筋自動検査システムを開発
大林組は鉄筋コンクリート工事の配筋検査向けに、人工知能(AI)自動計測技術を使い計測精度と作業効率を向上させた配筋自動検査システムを開発した。鉄筋径の推定確度は94%と高く、現在の専用検査システムに比べて作業時間を約36%短縮できる。今後、同システムの実績を重ねつつ、AIの推定精度の向上や装置の小型・軽量化など機能向上を進める。自社での利用に加え、外販も検討していく。
同システムはステレオカメラを搭載した検査パッケージ、計算用サーバー、タブレット端末で構成。ステレオカメラで配筋を動画撮影し、画像データと計算用サーバーで生成した点群データを基に、鉄筋径やピッチをAIで自動計測する。
計測結果は、タブレット端末に表示されるウェブアプリ上で3次元(3D)モデリング技術「BIM」に入力された設計情報と照合。最終的には施工管理者が合否判定を行う。BIMデータの使用によって検査前データ作成を簡略化でき、結果を帳票として自動作成するため、検査報告書を容易に作成できる。
AIによる推定結果の確度は色分けで可視化。施工管理者による再確認の指標として使用でき、作業時間の短縮につながる。
【関連記事】 AIソフトで生産コストの削減を支援する注目の企業
日刊工業新聞 2024年5月23日