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マクセルが20億円投資で「コイン形電池」増産、医療機器向け攻める

マクセルは糖尿病患者の増加などを踏まえ、血糖値測定器向けコイン形二酸化マンガンリチウム電池の増産投資を実施する。小野事業所(兵庫県小野市)で生産設備の増強を計画し、2026年度までに段階的に20億円以上を投資するとみられる。同測定器の需要拡大に加え、測定器の仕様に応じて電池の大きさを変える必要があり、供給体制を整備して商機に対応する。

同電池は、血糖値を24時間監視できる持続グルコース測定器(CGM)に用いる。小野事業所で生産ラインの増設を見込むほか、検査や梱包など一部の工程を同事業所以外で行うことも検討する。将来は生産能力を21年度比で約10倍に引き上げることを目標とし、マクセルが注力するヘルスケア市場で存在感を高める。

同社はCGMの需要拡大を見据え、22年には約10億円の設備投資を実施した。材料を固めて電池に成形するラインを同事業所に導入し、CGM向けコイン形リチウム電池の生産能力を導入前と比べて約3倍に高めた。 また生産履歴情報を自動で取得できるシステムも構築した。

マクセルはヘルスケアに加え、第5世代通信(5G)やモビリティー分野などで投資を積極化している。

日刊工業新聞 2024年5月8日

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