水素30%混焼、川重が実証した大型ガスエンジンの性能
川崎重工業は発電出力8メガワット(メガは100万)級の大型ガスエンジン発電設備で水素30%混焼の実証設備を建設する。神戸工場(神戸市中央区)で稼働する発電出力7・5メガワットのガスエンジン発電設備を水素混焼対応仕様に改造する。実証設備は5月に完成し、10月から水素混焼ガスエンジン発電設備として運用を開始する予定。
ガスエンジン発電設備に主に水素供給システムの追設とエンジン燃焼室の改造を実施する。発電出力や水素混焼比率など、顧客の運転環境に応じて燃焼状態を適正に制御できる独自のエンジン制御システムの構築とともに、燃焼室仕様の変更により、水素混焼運転時も従来のガスエンジンと同じ発電出力を達成できる。
水素を体積比30%の割合で都市ガスと混焼した場合、都市ガスだけを燃焼させた場合に比べて約1150トンの二酸化炭素(CO2)を削減可能。
川重は高効率・低窒素酸化物(NOx)をコンセプトに、発電用大型ガスエンジン「カワサキグリーンガスエンジン」を開発し、8メガワット級で世界最高効率の発電設備を展開している。2025年に同エンジンの水素混焼モデルの市場投入と、既設エンジンに対する水素混焼改造工事を予定している。
日刊工業新聞 2024年04月23日