世界初目指す月面探査車に採用、三菱ケミカルGが樹脂部材供給
三菱ケミカルグループの設計概念「コンプライアントメカニズム」を適用して設計した樹脂部材が、ロボット・宇宙開発ベンチャーのダイモン(東京都大田区)が開発中の月面探査車「YAOKI」に採用された。2024年中に、民間企業として世界初となる月面探査の実現を目指す。
今回設計した部材は、月面探査車の走行時に車体を安定させる役割を持つ。素材から構造を見直すことで、重量増加を抑えつつ従来品と比べて耐衝撃性を向上させたモデルの設計に成功した。
これまで落下時などに耐衝撃性が必要とされながらも、輸送コストの点で重量の増加につながる高剛性設計ができない課題があった。コンプライアントメカニズムは弾性を持つ素材で製品を一体的に成形し、力や運動をしなやかに伝達させて機能を発現する設計概念。
日刊工業新聞 2024年4月17日