「eVTOL」航続距離延長に貢献…日本精工が開発したガスタービン発電機用軸受の性能
日本精工は新たな潤滑機構を採用したガスタービン発電機用軸受を開発した。電動垂直離着陸機(eVTOL)の推進機構として有力視されるガスタービン発電機の内部に使われる。給排油構造の改良によって軸受性能の最大化を図り、eVTOLの航続距離延長に寄与する。2030年までに同軸受で売上高10億円を目指す。
従来の潤滑機構である「ジェット潤滑機構」はコスト面などで優れる一方、潤滑油量が多量でエネルギー損失が大きいといった課題がある。
そこで日本精工は軸受内部に必要量(少量)の油を直接供給する「アンダーレース潤滑機構」の利点を組み合わせた独自の潤滑機構を開発。潤滑油量はジェット潤滑と比べて4分の1に削減でき、軸受潤滑油の給排油ポンプやタンク容積の軽量化につなげられる。また動力損失も同3分の2に削減できる。
eVTOLは公共交通や物流での活用が期待されている。矢野経済研究所(東京都中野区)によると、eVTOLの世界市場規模は35年に約20兆円に上る見通しだ。
日刊工業新聞 2024年03月28日