DNPが量産へ…2ナノメートル世代のフォトマスク製造プロセス開発
大日本印刷(DNP)は27日、極端紫外線(EUV)リソグラフィーに対応した2ナノメートル(ナノは10億分の1)世代のロジック半導体向けフォトマスク(半導体回路の原版)製造プロセスの開発を始めたと発表した。2027年度に国内で量産開始を目指す。同社はラピダス(東京都千代田区)が新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から受託した「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」に再委託先として参画しており、技術提供はその一環。
EUV露光に対応するEUVマスクは描画パターンが多く、描画時間を大幅に短縮できるマルチ電子ビーム描画装置での製造が主流。DNPは上福岡工場(埼玉県ふじみ野市)で1台が稼働中のほか、2台目も国内で稼働済み。24年度中に3台目の稼働も計画する。
同社は23―25年度に半導体関連で200億円を投資する。EUV露光の周辺技術開発の支援なども含めEUVマスクで30年に年間100億円の売り上げを目指す。
DNPはベルギーに本部を置く半導体の国際研究機関imecと共同で2ナノメートル世代以降を見据えた開発にも着手している。
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日刊工業新聞 2024年03月28日