洋上風力用クレーン拡販、東光鉄工が国産アピール
東光鉄工(秋田県大館市、菅原訪順社長)は、洋上風力発電所の荷役に使うダビットクレーン事業で2024年度に100台程度の受注を目指す。これに伴い、同クレーンの安定供給に向けて12月に同市に工場を建設。交換部品の供給や修理にも迅速に対応できる体制を整える。欧州勢が風車や同クレーンの市場を席巻する中、国産クレーンとして対応力が高い長所を顧客にアピールし受注獲得につなげる。
ダビットクレーンは洋上風力発電設備に備え付け、船舶から資材や機器を運び上げる。稼働から20―30年にわたり、設備の維持管理に利用する。
生産するダビットクレーンは、関ケ原製作所(岐阜県関ケ原町)と共同開発した。定格荷重は1―3トンで、地上から最上端までの高さを示す揚程は約30メートル、作業半径は2・4―5メートル。新工場は3月下旬に東光鉄工の工場敷地内で着工する。延べ床面積は2240平方メートルで、投資額は8億5000万円。
洋上風力発電設備は日本海の荒波や降雪など、厳しい条件下で利用される。またクレーンは風車の大きさなどで仕様が変わるため、カスタマイズ対応が必要となる。東光鉄工は関ケ原製作所と連携し、国内工場の技術者が部品交換や修理に迅速に対応できる点を訴える。工場が立地する秋田県は4カ所で洋上風力発電の計画が進む。日本政府も導入を積極的に支援している。
日刊工業新聞 2024年03月11日