伊藤忠が出資、核融合新興「ブルー・レーザー・フュージョン」とは?
伊藤忠商事は7日、核融合発電のスタートアップの米ブルー・レーザー・フュージョン(BLF、カリフォルニア州)と資本業務提携を締結したと発表した。BLFによる核融合発電の開発のほか、同社の独自レーザー技術の半導体材料加工などへの応用で協業する。BLFによる数億円の第三者割当増資を引き受けた。伊藤忠の産業ネットワークを活用して、BLFと関連企業との連携体制の構築を推進する。
2022年設立のBLFは、自社開発の強力なレーザーを用いた核融合炉を30年に商用化することを目指している。同社の最高経営責任者(CEO)は14年に青色発光ダイオード(LED)の開発でノーベル物理学賞を受賞した中村修二氏が務める。
BLFはホウ素などで構成される燃料を使うことで、中性子線が発生しない安全性の高いレーザー方式核融合炉の開発を図っている。同核融合炉は22年に米ローレンスリバモア国立研究所が実証実験に成功したことで関心が高まっている。
また核融合炉に使う強力なレーザーは、材料加工や医療への応用が期待されている。伊藤忠は発電以外の分野でも関係企業とのネットワーク形成を推進する。
日刊工業新聞 2024年03月08日