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高容量リチウム電池の負極用接着剤、第一工業製薬が最大10倍に増産

高容量リチウム電池の負極用接着剤、第一工業製薬が最大10倍に増産

エレクセルCRシリーズ使って作った電極の試作品

第一工業製薬は、高容量リチウムイオン二次電池(LiB)の負極用接着剤の生産能力を現状比5―10倍に増強すると発表した。国内拠点の既存設備などを活用。2月時点で月数百キログラムの生産能力を、同数トンまで伸ばす。2022年12月に開発した負極用接着剤は、電池メーカーなどが性能評価試験を実施中。これまでの試験の進捗(しんちょく)を受けて、生産体制拡充に踏み切った。

第一工業製薬が増産するのは、負極用水系複合接着剤「エレクセルCRシリーズ」。スマートフォンなど小型機器や電気自動車(EV)など向けにLiBの需要がさらに拡大すると見込み、2025年度の商品化と、27年度に年間売上高35億円を目指している。

同接着剤は、電池の充放電による負極材の膨張・収縮に対してゴムのように追従する。これにより電極構造を安定化でき、高容量電池の長寿命化に寄与できる。

LiBの負極材料は黒鉛が主流だが、高容量化のためシリコン系材料を少量添加するケースが増えている。ただシリコン系材料は充電時に膨張、放電時には収縮するため、電極構造が破壊されてしまい電池を劣化させる課題があった。


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日刊工業新聞 2024年03月05日

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