ニュースイッチ

容量140ミリアンペア時…日立造船が半導体装置メーカーから受注、「全固体電池」の性能

容量140ミリアンペア時…日立造船が半導体装置メーカーから受注、「全固体電池」の性能

LiB

日立造船は27日、容量140ミリアンペア時の全固体リチウムイオン電池(LiB=写真)を半導体製造装置メーカーから受注したと発表した。商業ベースでの受注は初めて。高真空、高圧、マイナス40度Cから120度Cまでの幅広い温度帯で使用できる。衛星機器や医療機器などでの導入が期待される。

今回、全固体電池「AS―LiB」の容量140ミリアンペア時を2月末に12個納品する。同社の全固体電池は完全乾式の独自製法で加圧がなくても電極粒子の界面を維持。圧力を加える拘束治具がなくても安定動作でき、電池の小型化につながる。

また同社は宇宙航空研究開発機構(JAXA)から同電池の宇宙飛行証明書を受領。2022年にJAXAとの共同研究で宇宙空間で全固体電池の充放電に世界で初めて成功。その後1年以上にわたる充放電サイクルの長期運用を達成した。すでに日本に帰還し、3月上旬から技術研究所(大阪市大正区)で解体分析評価などを行う。


【関連記事】「全固体電池」中小企業へのビジネスチャンス
日刊工業新聞 2024年02月28日

編集部のおすすめ