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「製造業あるある」部門間の不仲を乗り越えるためには?

知っておくべき調達・生産・販売の基礎知識 #2 営業部門と他部門との衝突

営業部門と、調達部門や製造部門とが不仲になってしまう、というのは「製造業あるある」の一つです。お客様の要請を受け入れて、ぜひとも注文を獲得したい営業担当者にとって、かなり無理なお客様の要求(納期の大幅な前倒し要求など)でも、自社の調達、製造部門に対して「何とか対応してくれ」と求めることがあります。そのような要請自体は、部門間の不仲の原因になるものではありません。お客様からの注文を獲得するために、必要な要請を自社の各部門に対して発信することは、むしろ当然の活動と言えます。

問題なのは、社内の「SCM」の実態をまったく無視して、「お客様の要望なのだから、お前たちがなんとかしろ」と、顧客の注文を盾にして無理な要求をすることです。営業担当者が社内の調整に参画することもなく、「なんとかしろ」の一点張りで、対応を調達部門や製造部門に丸投げをするような対応を取ってしまうと、部門間での対立に発展してしまうのです。社内の「SCM」の実態を調べもせずに、お客様から無理な要求を安請け合いして、「注文をもらったのだから、対応せざるを得ない」と、その後の対応を調達部門や製造部門に強引に押し付けるような行動も同様です。

お客様からのさまざまな要請に対して、最大限の努力を社内の各部門に依頼するためには、関係する各部門の事情や、社内の「SCM」の実態を正確に把握した上で、「ここは、〇〇の対応をすれば、□□の問題は解決できるのではないか」といった営業部門としての主張を行うことを心がけるべきです。それができない営業担当者は、残念ながら、社内の各部門から総スカンを食らってしまい、以後の業務遂行に大きな支障をきたすこともあります。

<書籍紹介>
書名:まんがでわかるサプライチェーン 知っておくべき調達・生産・販売の流れ
著者名:古谷賢一 著/日豆思惟子 作画
判型:A5判
総頁数:192頁
税込み価格:2,200円

<販売サイト>
Amazon
Rakuten ブックス
Nikkan BookStore

<著者略歴>
〇著者
古谷 賢一(ふるたに けんいち)
株式会社ジェムコ日本経営 プリンシパル本部 本部長コンサルタント
大阪産業大学経営学部商学科非常勤講師
【資格】公益社団法人全日本能率連盟認定マスター・マネジメント・コンサルタント、ICMCI(国際公認経営コンサルティング協議会)認定コンサルタント、MBA(経営学修士)
【略歴】大手鉄鋼メーカーにて、主に電子回路モジュールおよびコンピュータなど情報機器の開発製造事業に従事。開発・設計・製造・生産技術・品質保証・品質管理等の業務に従事し、本社より分社した事業会社の品質保証責任者、生産技術部門長および海外生産子会社(フィリピン、中国)の品質管理責任者を歴任。生産子会社・協力工場や、部材ベンダー・取引先へのものづくり指導、生産技術指導、品質指導を、国内外問わず多く手がけている。
その後、ジェムコ日本経営に入社。経営管理、人材育成から、品質改善支援、ものづくり革新支援など幅広い分野に従事し、"地に足がついた活動"をモットーに、現場に密着し、きめ細かい実践指導は顧客から高い評価を得ている。
タイ、マレーシア、フィリピン、ベトナムおよびハンガリーなど、海外での支援実績も多数あり。
【著書】『工場長の教科書』『在庫戦略の教科書』(共に日経BP)。雑誌『工場管理』(日刊工業新聞社)にて「Z世代の新人育成バイブル」を連載。『工場管理』『型技術』(同)にて寄稿多数。
【専門分野】経営管理・経営戦略、ものづくり現場改革・生産合理化、品質管理・品質改善、組織・人材開発
〇作画
日豆 思惟子(ひず しいこ)
九州在住のデザイン系フリーランス。心地よく感じられる作画を目指す。
ウェブサイト:https://honeysuckle-nagasaki.tumblr.com/

<目次>
第1章 サプライチェーンを知ろう
第2章 顧客から納期の前倒し要望
第3章 急な増産対応の依頼
第4章 値下げ要請に直面する
第5章 品質クレームにどう対応するのか

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製造業における「サプライチェーン」は「原材料を調達して、生産活動を行い、そして、顧客の手元に製品をお届けするまでの一連の流れ」を指します。この流れを止めないよう、企業は部門を越えて情報を共有し、最適な取り組みを行っています。
 こうした中で、営業担当者は顧客からのさまざまな変更要請を受ける窓口です。顧客の要請に満足に応えるために、営業担当者は自社のサプライチェーンを把握しておかなければなりません。これがスキルとなって、顧客の信頼を得る基本になるのです。

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