ニュースイッチ

自動車の枠超えた連携も、マツダが共創拠点を六本木を開設したワケ

自動車の枠超えた連携も、マツダが共創拠点を六本木を開設したワケ

マツダイノベーションスペース東京の「共創エリア」

車の枠超え連携、人材確保

マツダが新たな価値創造に向け人材開発を強化している。異業種やスタートアップ、IT人材らとの共創拠点を東京都港区六本木に16日付で開設した。既存の東京本社(東京都千代田区)併設でなく、多様な人・文化が行き交う六本木に専門拠点を設け、MaaS(乗り物のサービス化)や仮想現実(VR)関連の新事業の創出のほかIT人材確保につなげる。開設初年度にも事業化を見据えたサービスの構想などを成果として示す考えだ。(大原佑美子)

新拠点「マツダイノベーションスペース東京」では当初、「MaaS事業準備室」や電動車を用いたサービス開発を担う「e―MAZDA」など4部門の計20人程度が常駐し活動を始める。自在にレイアウト可能で気兼ねなく議論できる30席を備えた共創エリアのほか、セミナーエリアを設置。

「セミナーエリア」も設け、社内外との共創を促進する

竹内都美子執行役員は「食・IT・社会課題に取り組むスタートアップなど、あらゆる業界の仲間づくりをしたい」と話し、自動車の枠を越えた連携も見据える。

新入社員やキャリア採用においても同拠点を活用する。滝村典之執行役員は「広島が本社の企業ということが入社のハードルになっている。一緒に価値を創造できる人材と巡り会い、共創作業をするにはこちらの方が分がある」と六本木の拠点の必要性を強調した。マツダへの転職を検討する人が、特定の課題に対して事前にマツダ従業員と共に働く「キャリア採用版インターンシップ」(竹内執行役員)も同拠点で取り入れていく。

同拠点では、まず2月下旬からマツダ従業員に対し、組織風土改革プログラムを実施。その後はパートナー企業などと連携し、課題やテーマに沿ったワークショップ(参加型講習会)やパネル討論会などの場として同拠点を活用する方針だ。外部との共創を通じ「最終的には車がなくても顧客の人生を豊かにできる価値の提供まで考えていきたい」と、滝村執行役員は構想を明かす。


【関連記事】 SUVで三菱自・マツダ・スバルが頼りにする加工メーカー
日刊工業新聞 2024年02月19日

編集部のおすすめ