ニュースイッチ

エッジAI向け半導体開発を強力支援、経産省がラピダスなど参画組織に450億円

エッジAI向け半導体開発を強力支援、経産省がラピダスなど参画組織に450億円

会見する東理事長

ラピダス(東京都千代田区)などが参画する技術研究組合「最先端半導体技術センター(LSTC)」は、端末内で処理を完結するエッジAI(人工知能)や回路線幅2ナノメートル(ナノは10億分の1)未満の次世代半導体を設計開発するため、経済産業省から最大450億円の支援を受ける。期間は2028年末までで、事業費は政府が全額負担する。AI性能の飛躍的な向上を実現することで、日本の半導体産業の国際競争力強化に貢献する。

LSTCは次世代半導体の量産を目指すラピダスのほか、産業技術総合研究所理化学研究所東京大学などが参画する。

今回、カナダの半導体開発企業であるテンストレントなどと連携し、クラウドを介さず駆動することで、通信量や電力消費量を抑えたエッジAI用の回路線幅2ナノメートルの半導体を設計開発する。産業用や生活支援ロボット、自動車のほか、小売りなど社会生活で広範に使われる見込みだ。ラピダスでの製造を想定。総事業費は280億円となる。

もう一つの回路線幅2ナノメートル未満の高性能な半導体製造技術の開発では総事業費は170億円を見込む。トランジスタや配線技術、製造装置などの開発を行う。大学や企業のほか、米アプライド・マテリアルズや欧州の研究機関とも連携する。

LSTCの東哲郎理事長(ラピダス会長)は「AIのアプリケーション開発を日本で加速するためにLSTCによるサポートは必須だ」としている。


【関連記事】 半導体パッケージ基板で存在感を増す印刷会社
日刊工業新聞 2024年2月13日

編集部のおすすめ