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高さ390mの超高層ビル、働く魅力も“日本一”への工夫

高さ390mの超高層ビル、働く魅力も“日本一”への工夫

利用者同士のコミュニケーション促進を狙った「MY Shokudo」

オフィス回帰、価値で誘引

2024年以降も続いている東京の大規模再開発。こうした動きに伴って注目されるのが、ポストコロナを見据えて整備されるオフィスだ。三菱地所が東京駅日本橋口前で進めるプロジェクト「TOKYO TORCH(トウキョウトーチ)」では、ハードとソフトの両面で「来たくなるオフィス」の実現に向けた工夫を凝らしている。企業のオフィス回帰が進む中、従業員の交流や出社を促す仕掛けを導入し、新たな働き方の提案につなげていく考えだ。(編集委員・古谷一樹)

23年9月に建設が始まり、着々と工事が進む超高層ビル「トーチタワー」。高さは約390メートルと、23年11月に開業した「麻布台ヒルズ森JPタワー」を上回り日本一となる。敷地面積が約3・1ヘクタールに及ぶ大規模複合再開発「トウキョウトーチ」のランドマークであり、7―52階がオフィスフロアとなる。

こうした高層ビルに関して、同社がハード面の訴求とともに重視するのがソフト面の充実だ。プロジェクトの第1弾として21年6月に竣工した「常盤橋タワー」では、コロナ禍を契機に浸透した働き方の多様化に対応しつつ、付加価値の向上を狙ったさまざまな仕掛けを施している。

その一例が、3階に設けた就業者向けの共用カフェラウンジ「MY Shokudo」。「テナントの従業員が利用できる施設を充実させることで、満足度を一層高めてもらう」(三菱地所)ことを目指している。個室や空間全体の貸切も可能だ。

イベントや企業の懇親会に利用できるようプロジェクターや音響機器などの各種設備も用意。さらにテナント企業同士のコミュニケーション促進や意見交換を目的とするプログラムなどを提供している。

都心の再開発ラッシュによって超高層ビルの建設が続く中、オフィス需要に関しては楽観的な見通しばかりではない。人口減少やコロナ危機以降のテレワークの普及などが重なり、今後減少していくとの見方もある。競争力向上に向けて、ハードとソフトの両面で一層魅力を高めることの重要性が増している。

三菱地所が18年1月に移転した本社を活用し、オフィスビルに求められる最新の技術やサービスの実証を行ってきたのも、こうした流れを見据えた取り組みと言える。

今後はこうした取り組みで得た知見をオフィスビルの高付加価値化に役立てる考えで、「テナントの従業員がオフィスに来る意味を見いだせるような提案につなげたい」(同社)と話している。

日刊工業新聞 2024年01月25日

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