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脱炭素化へ技術確立目指す、日本ガイシが公開した「水素燃焼炉」の中身

脱炭素化へ技術確立目指す、日本ガイシが公開した「水素燃焼炉」の中身

セラミックス製品を焼き固める水素燃焼炉

日本ガイシは2025年の技術確立を目指して開発中のセラミックス製品を焼き固める水素燃焼炉を公開した(写真)。量産ライン向けの燃焼技術を確立し、30年から国内外の製造拠点で活用する計画だ。同社が22年度に排出した温室効果ガス(GHG)のうち、約4割の25万トンが化石燃料由来。その大半を焼成炉が占める。窯業での水素燃焼を実用化し脱炭素化を図る。

二つのバーナーを向かい合わせに配置した「リジェネレイティブバーナー」で実証を進めている。サイズは幅7×奥行き2×高さ4メートルで、奥行き100メートルほどの量産用の炉の一部を切り出した実験炉。独自に開発した。炉内の温度分布やバーナーの耐久性などを調べており、24年中に製品を焼成する実験も始める。

同社が手がける自動車向け排ガス浄化装置や電力用碍子(がいし)の生産を水素燃焼に移行すると、炉内の温度分布が変わったり、水蒸気が製品に影響を与えたりする懸念がある。担当者は「現在の液化天然ガス(LNG)を使った燃焼と同じような分布としたい」と話す。水蒸気は深刻な課題とならない見通しだ。

日刊工業新聞 2024年01月25日

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