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倒産件数が急増…23年は8000件超、バブル崩壊以来の高い増加率

帝国データバンク(TDB)と東京商工リサーチ(TSR)が15日発表した2023年の倒産件数は、前年から30%以上増加し、バブル崩壊以来の高い増加率となった。TDBが前年比33・3%増の8497件、TSRが同35・2%増の8690件だった。コロナ禍の実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)の返済本格化や物価高、人手不足などが影響した。

負債総額はTDBが同0・2%増の2兆3769億300万円、TSRが同3・1%増の2兆4026億4500万円だった。ともに2年続けて2兆円を超えた。

TDBの業種別は、15年ぶりに全7業種で前年を上回った。小売業が同47・7%増の1783件、建設業が同38・8%増の1671件と大きく増えた。

TSRの産業別も31年ぶりに全10業種で前年同月を超えた。情報通信業が同46・6%増の349件、建設業が同41・8%増の1693件だった。

今後の見通しについて、TDBは「24年の倒産件数も増加局面が続く。特に、時間外労働の上限規制が適用される4月以降、さらに加速する可能性がある」と指摘する。TSRも「24年4月にゼロゼロ融資の返済がピークを迎え、資金繰りが一段と厳しくなる企業が増える」とみる。

23年12月の倒産件数は、TDBが前年同月比36・1%増の806件、TSRが同33・7%増の810件だった。TDBは20カ月連続、TSRは21カ月連続で前年同月を上回った。


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日刊工業新聞 2024年1月16日

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