ニュースイッチ

衝撃破砕で床版解体、三井住友建設が桁橋工事で初適用した工法の効果

衝撃破砕で床版解体、三井住友建設が桁橋工事で初適用した工法の効果

「SMartD」によるコンクリートの破砕工事

三井住友建設は精密衝撃破砕工法「SMartD」を、施工中の合成桁橋の床版取替工事で初めて適用した。今回適用した合成桁では、鋼桁と鉄筋コンクリート(RC)床版を一体化しているずれ止め用の馬蹄(ばてい)形ジベル周辺のコンクリートを集中的に破砕し、既設床版の効率的な分離・解体を実現した。

「SMartD」はコンクリート構造物を効率的に解体できる位置と方向に破砕面(ひび割れ)を形成するよう装薬配置などを設計し、その装薬箇所に小規模な衝撃を与えて構造物を破砕する精密衝撃破砕工法。東京大学大学院新領域創成科学研究科の上西幸司教授の指導のもと、研究・開発を進めてきた。

ジベル周辺のコンクリートを集中的に破砕する装薬配置を設計。破砕効果や鋼桁への影響を数値シミュレーションや模擬破砕実験などにより確認した。実際の適用時にも定常騒音や破砕コンクリート片の飛散などは発生せず、事前の検討通り鋼桁への影響がないことを確認した。同工法は水を使用しないため、水質保全が求められる河川上でも適用できる。


【関連記事】 三井住友FGの知られざる稼ぎ頭
日刊工業新聞 2023年12月12日

編集部のおすすめ