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三井住友建設が完成、ゼロエネ社員寮の全容

三井住友建設は愛媛県新居浜市に、年間の1次エネルギー消費量の収支を実質ゼロにした社員寮を完成した。省エネ・創エネに寄与する独自の環境配慮設計により、建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)の「ゼッチ-マンション(ZEH―M)」を達成。また蓄熱・蓄電設備を搭載することで、太陽光発電による再生可能エネルギーの自家消費率を100%とした。同物件をモデルケースとして活用し、環境配慮設計を展開する。

鉄骨造3階建てで、31戸で構成する社員寮「大志寮=写真」を仕上げた。設備面ではLow―E(低放射)ガラスや金属断熱パネル、自然光を取り込むダクトやクールトレンチを採用。居室に導入した高効率エアコンや発光ダイオード(LED)照明との組み合わせにより、1次消費エネルギーを38%削減した。併せて太陽光発電を使った創エネ機能も持たせ、年間の1次エネルギー消費量の収支ゼロを達成した。

これに加え、蓄熱・蓄電設備としてヒートポンプ給湯機「エコキュート」とリチウムイオン電池を導入。夜間の給湯負荷を昼間にシフトするとともに、日中に発電した余剰電力を蓄電することで再生可能エネルギーの自家消費率を100%に高めた。停電時に建物と電気自動車(EV)を接続し、EVの直流電源を交流電源に変換して建物の機能を維持するシステムも備える。

日刊工業新聞2023年1月23日

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