都市ガス用バーナーで水素の燃焼に成功、エコムが用いた技術
エコムは都市ガスを使う工業用バーナー「エコネクスト=写真」で、窒素酸化物(NOx)の発生を抑えた水素100%使用の燃焼と、水素50%・都市ガス50%の混合燃焼に成功した。同社が都市ガス用に開発したNOxが発生しにくい燃焼技術「フレームレス燃焼」を用いた。既存製品で水素を燃焼できるため、専用設備の投資額抑制につなげられる。
今後は耐久試験や実際の熱処理における使用で検証し、技術開発やノズルの改良などに取り組む。将来は既存の工業炉を改造する「ファーネスエンジニアリング」事業で、水素の利用を希望するユーザー向けに、エコネクストやエコムの水素燃焼技術の採用を提案する。
フレームレス燃焼は火炎温度を1800ケルビン以下に抑える低NOx燃焼技術。
水素は燃焼時に二酸化炭素(CO2)が発生しないため、加熱分野のカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)達成のための手段として関心が高まっている。
日刊工業新聞 2023年12月12日