コフロックが半導体製造向け開発、新型マスフローコントローラーが実現すること
コフロック(京都府京田辺市、小島望社長)は半導体製造向けに、従来より安定した流量制御が行える新型マスフローコントローラー(MFC)を開発した。半導体製造のエッチング加工をはじめ、腐食性ガスを使う装置やラインに適する。装置に複数あるチャンバーへのガス供給で圧力変動が生じた時に過敏反応し、瞬間的に流量が乱れる課題を解消でき、生産の安定化を実現する。
MFCは流量センサーと制御バルブの一体化機器。同センサーからの流量信号と、外部からの流量設定信号との比較制御でバルブ開度を調整し、流量制御する。
新開発の「ST―500」は2024年1月に発売する。価格は今後詰めるが他社競合品と同等以下とする方針で、年1000台の販売を目指す。
同センサーの手前に圧力センサーを載せ、捉えた圧力変動と変動前圧力を比較。独自アルゴリズムにより、バルブ開度を補正するPI(圧力変動影響緩和)機能で瞬間的な流量乱れを2%以下に抑えた。同機能がない場合は、10%ほど乱れることがあるという。
半導体製造向けMFCは正確で安定した制御が特に求められ、耐食性の高い部材を使う腐食性ガス対応タイプは上位仕様となる。
新製品は他社製を含めた従来品よりも、安定した制御を求める市場からのニーズに応えて開発した。
PI機能を搭載するMFCとしては後発となるが、既に半導体製造装置向けに採用されたほか、引き合いも複数あり、今後の新規顧客の開拓と業容拡大に弾みを付ける。
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日刊工業新聞 2023年12月5日