非常用電源・情報通信網を搭載…鹿島が開発、災害時対応カートの機能
鹿島は平常時と災害時の両方で、通信インフラとして利用できるカートを開発した。平常時には電源がない屋外マルシェなどのイベントで、災害時には非常用電源と情報通信網の整備が必要な避難施設などでの利用を想定する。東京都が進める「地域を主体とするスマート東京先進事例創出事業」の一環で、本社を置く東京・赤坂エリアや他地域の街づくりで活用していく。
カートは可搬式で、幅約70センチ×奥行き約100センチ×高さ約95センチメートルと一般的なエレベーターに搬入できる大きさとした。ホンダの着脱バッテリー式ポータブル電源を搭載。電源利用時に有害なガスが発生しないため、建物の内外を問わずさまざまな状況で使える。大規模停電が発生した場合でも、系統電源と同水準の高品質な電力を供給できる。
また、米スペースXが提供する衛星インターネットアクセスサービスの利用が可能な受送信設備を内蔵している。災害時に通信キャリアのサービスが遮断された場合でも、代替の情報通信手段としての利用が見込める。カート前面には12・9インチのタブレットPCを装着でき、手軽かつタイムリーに必要な情報を受信・表示できる。
日刊工業新聞 2023年12月04日