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建物使いながら「超高強度鉄筋コンクリ造柱」補修…鹿島が新技術

建物使いながら「超高強度鉄筋コンクリ造柱」補修…鹿島が新技術

損傷部分を除去する作業

損傷部分を除去する作業

鹿島は超高強度コンクリートを使用した鉄筋コンクリート(RC)造柱について、建物の重量を受けたまま補修・補強する技術を開発した。大地震や設計想定を上回る地震で超高強度RC造柱が損傷した場合でも、建物を使い続けながら柱の耐力や性能を維持・回復することが可能となり、建物の長寿命化にも役立つ。

補修・補強材として、高強度・高靱性などの特徴がある繊維補強モルタルを使用。柱部材のかぶりコンクリートに欠損や剥落が生じた場合、まず一定範囲を除去。その後、除去した箇所の表面に所定のプライマー処理を施し、超高強度繊維補強モルタルで置換する。

補修後の超高強度RC造柱の構造性能を確認するため、1平方ミリメートル当たり120ニュートンの超高強度コンクリートの柱部材を使って構造実験を行った。2分の1サイズの模擬柱部材に想定される建物重量と地震力(軸力・水平力)を負荷し、柱部材のかぶりコンクリートの一部が剥落するまで損傷させた。

さらに建物重量を受けた状態で柱部材を補修した後、再び同じ地震力を負荷したところ、元の柱断面性能と同等以上の耐力・変形性能を維持していることを確認した。

日刊工業新聞 2023年11月30日

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