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国交省が2050年構築を打ち出した未来の道路網「WISENET」の全容

国交省が2050年構築を打ち出した未来の道路網「WISENET」の全容

国交省が政策集で打ち出した「車両と道路が協調した自動運転」のイメージ

国土交通省は2050年に「世界で一番賢く安全で持続可能な高規格道路ネットワーク」を構築する方針を打ち出した。人口減少や自然災害が頻発する中で経済発展や安全な生活を維持するために、地域間を結ぶ基幹道路や自動物流道路による新たな道路網をWISENETと名付け構築する。社会資本整備審議会の国土幹線道路部会による「高規格道路ネットワークのあり方」の中間とりまとめを受け、このほど「WISENET2050・政策集」を公表した。

政策集では既存道路網で渋滞が生じるボトルネックの解消をはじめ、三大都市圏環状道路や日本海側と太平洋側を結ぶ横断軸を強化することで強靱(きょうじん)な物流ネットワークの構築を打ち出した。さらに高速道路空間の活用として無人カートによる自動物流道路、再生可能エネルギーの広域送電、集中豪雨に対処する治水機能強化なども提案する。道路と車両の協調による自動運転トラックは、すでに24年度から新東名高速道路で深夜に実証運行を行い26年度以降の実用化を目指している。斉藤鉄夫国土交通相は自動物流道路について「切迫する物流危機にしっかりと対応できるよう、スピード感を持って検討する」としている。

中間とりまとめでは人口減少や災害の激甚化、細長い国土など日本の特徴から、誰が管理するどんな種別の道路でも一連のサービスレベルで連結するシームレスな道路網が必要とした。重要都市間を時速60キロ―80キロメートルで結ぶ高規格道路や、自動車に頼らず道路空間を利用してモノを運ぶ自動物流道路などの必要性を指摘した。7月に閣議決定された国土形成計画でも「新時代に地域力をつなぐ国土」を目指すべき姿、「シームレスな拠点連結型国土」を基本構想とし、地域間を結ぶ重要性を強調している。

日本はフランスや面積が近いドイツと比べ高速道路網の総距離は遜色ないが、時速80キロメートルで走行できる距離はドイツの4分の1、フランスの2分の1以下しかない。また渋滞により移動時間の4割をロスしており、これらが移動や物流のネックとなり生産性にも影響している。

日刊工業新聞 2023年11月28日

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