部品供給を最適運転、NTNが通信機能付きコントローラー開発
NTNは部品供給装置(パーツフィーダー)を、形や重さなどが異なる部品ごとに適した運転条件で制御する通信機能付きコントローラーを開発した。運転条件のパターン数も上限なく設定でき、多品種少量生産用パーツフィーダーに向く。運転を通信で常時監視して適時の保守が可能になり、突発の加工設備故障による生産停止を防げる。既に受注を始めており、2026年度に1億円の販売を目指す。
新開発のコントローラーは、パーツフィーダーに取り付けて制御する駆動ユニットと、加工設備の制御盤に取り付けて駆動ユニットに運転条件の指令やフィーダーの運転データを送信する通信ユニットで構成する。価格は非公表だが、オプション品も含めて自社従来品比で25%高く設定した。
パーツフィーダー付近で直接運転条件を設定できる操作ユニットもオプション品で用意する。多品種少量の部品ごとに異なる運転条件を、プログラマブルコントローラー(PLC)やパソコンで無制限に登録できる。
パーツフィーダーが部品を整列・供給する駆動力となる振動の振幅や周波数をコントローラーが制御し、供給速度を高められる。
従来のコントローラーはユニット別に分かれず一体型で、データ記憶容量が少なく運転条件のパターンも数件しか登録できなかった。
通信機能により、運転状態の変化を電流や周波数などでリアルタイムに監視する。蓄積した計測データも含めて解析することで、加工設備の異常や故障を予測できる。
日刊工業新聞 2023年11月28日