ファナックがロボ制御装置11年ぶり刷新、サイバーセキュリティーの国際規格を世界初取得
ファナックはロボット制御装置「R―50iA」を開発、サイバーセキュリティーの国際規格を世界で初めて取得した。近年、IoT(モノのインターネット)機能などを搭載し、ネットワーク接続されたロボットが増えたことで、サイバー攻撃リスクが高まっていることに対応。顧客が安心してロボットを使える環境を整える。2024年2月の発売を予定する。
R―50iAは既存のロボット制御装置「R―30iB」から11年ぶりの刷新。セキュリティー機能を大幅に強化しており、セキュリティー認証の国際規格「IEC62443―4―1」および「IEC62443―4―2」の二つを世界で初めて取得した。安全性の高いウェブ通信やファイル転送など、生産ラインで需要が高まっているセキュリティー面への対応を進めた。
リモート保守に関する新機能も実装。ロボット制御装置に顧客がスマートフォンを接続することで、ファナックのサービス拠点から遠隔での保守サービスが受けられる。秘匿性の高いセキュリティーが担保された環境下で、顧客が利用するロボットの状態を確認し、必要に応じたトラブルシューティングを実行する。
ファナックは8月に産業用ロボットの累計出荷台数100万台を達成している。ロボットの累計稼働台数が増える中、遠隔からも即座に保守できる体制を強化する。
ロボットをより高速かつ精度良く動かせるように制御性能も強化した。自動車の生産現場における工業用のりを高速で車体部品に塗布する「グルーイング」など幅広い用途での生産性向上が見込める。
ファナックは29日に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開幕する「2023国際ロボット展」でR―50iAを紹介する。
日刊工業新聞 2023年11月27日