全固体電池向け固体電解質、三井金属がサンプル供給を開始
三井金属は、全固体リチウムイオン電池用固体電解質の量産試験設備での検証を完了し、サンプル供給を開始した。同設備は年産10トン強で生産を立ち上げ、需要に応じて同数十トンへ拡大する。試験設備ながら生産規模を拡大し、本格量産に向けて取り組みを前進させる。
同社は、電解液と同等水準の高いリチウムイオン伝導性を持ち、電気化学的に安定な「アルジロダイト型硫化物固体電解質」を生産している。このほど「A―SOLiD(エーソリッド)」として商標登録した。同ブランド名で普及を目指す。
これまで小規模設備で試験生産してきた。すでに全固体電池で三井金属と協力しているマクセルや電気自動車(EV)用途へサンプル供給し、材料評価や同電解質を利用した電池開発が進んでいる。
日刊工業新聞2021年11月12日