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半導体など川下減速…機能化学8社の通期で下方修正が相次ぐ背景

幅広い化学製品に在庫調整の波が押し寄せている。機能化学8社のうち6社が2024年3月期連結業績予想の売上高、4社が営業利益を下方修正した。円安の恩恵を受けるも、半導体など川下の市場減速で材料に用いる化学製品の出荷が想定を下回った。

機能科学8社

各社は下期(10月―24年3月)にかけて需要回復を見通すが、その度合いに差がみられ、生産・販売の最適化による収益確保を急ぐ。

23年4―9月期は前年同期比で全社が減収だった。JSRは同期の当期損失が21億円の赤字に転落。通期業績予想も大幅に下方修正した。メモリーを中心に半導体市場が低迷し、フォトレジスト(感光材)など材料の需要が落ち込んだ。エリック・ジョンソン最高経営責任者(CEO)は「厳しい環境だが市況は底を打ち、最先端品のシェアが高まっている」と強調した。

日本ゼオンは光学フィルムがパソコンなど電子機器市場減速の影響を受けたほか、主力の合成ゴム需要が減少。デンカも電線被覆などに使うクロロプレンゴム(CR)の需要低迷が響いた。「22年10―12月以降大きな調整が起きている。23年度中の回復は難しいだろう」(今井俊夫社長)とし、日米工場の生産最適化に注力する。

UBEは減収だがセメント関連会社の業績が改善し当期黒字に転換。トクヤマもセメントの値上げが営業増益に貢献した。

化学品は短・中期の川下の需要が読みづらい状況で、マネジメント力が問われている。信越化学工業は「価格と量のかじ取りを精密に行う」(斉藤恭彦社長)と強調。製品の需給バランスの変化をいち早く適切に見極められるかが、今後の浮上のカギを握りそうだ。

日刊工業新聞 2023年11月14日

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