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高機能シリコーン材増強に1000億円投資、信越化学が需要取り込み

高機能シリコーン材増強に1000億円投資、信越化学が需要取り込み

脱炭素化でシリコーン製品の需要が高まっている(電動車部品向けの放熱用シリコーンゴムシート)

信越化学工業は、約1000億円を投じてシリコーン材料の生産設備を増強する。2022年に公表した800億円規模の計画に続くシリコーン事業への投資で、電気自動車(EV)向けの放熱シートなど関連製品の需要増に応える。主力の群馬事業所(群馬県安中市)など国内3工場に加え、タイなどアジア各国、米国、ハンガリーの既存工場への投資を計画する。順次着手し、早ければ24年度から増産設備を稼働させる。

グローバルで生産能力を高めるほか、生産工程のグリーン化でカーボンニュートラル温室効果ガス排出量実質ゼロ)への取り組みを加速する。シリコーン製品は自動車や半導体分野をはじめ幅広い分野で普及している。近年はEV向け放熱シートに加え、風力発電用部材などにも活用されるなど脱炭素分野での採用が進む。「環境対応製品への期待は大きく、今後ますます需要が拡大していく」(同社)とし、需要の取り込みを図る。


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日刊工業新聞 2023年07月28日

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