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次世代パワー半導体材料に…京大が窒化アルミp型電気伝導制御、可能性を確認

次世代パワー半導体材料に…京大が窒化アルミp型電気伝導制御、可能性を確認

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京都大学の石井良太助教らの研究グループは、超ワイドバンドギャップ半導体の有力な候補材料の一つである窒化アルミニウムについて、p型電気伝導制御の可能性を確認した。次世代パワー半導体や深紫外の発光材料として有望な、超ワイドバンドギャップ半導体の物理の一端を解明した。

石井助教らは窒化アルミニウムのp型電気伝導制御の重要な指標であるマグネシウム添加によるp型電気伝導制御について、実験的、理論的に再検討した。その結果、p型電気伝導制御の可能性を左右するアクセプタ束縛エネルギーは、従来の「500ミリ電子ボルト以上」を大きく下回る「330プラスマイナス80ミリ電子ボルト」と見積もられ、マグネシウム添加による窒化アルミニウムのp型電気伝導制御の可能性を示した。

超ワイドバンドギャップ半導体は、バンドギャップの広さによって高電圧や高温に対する耐性が高く、優れた高周波特性を持つ。そのため電力の制御・変換を行うパワー半導体の材料や深紫外発光材料として需要がある。これまで応用上重要である電気伝導の制御については模索段階だった。

「第84回応用物理学会秋季学術講演会」で発表した。


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日刊工業新聞 2023年11月02日

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