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電子状態で0.15電子ボルト、京大が単層WSe2に赤外光パルス照射でエネ構造変化に成功した意義

電子状態で0.15電子ボルト、京大が単層WSe2に赤外光パルス照射でエネ構造変化に成功した意義

京都大学提供

京都大学の内田健人特定助教や田中耕一郎教授らは、2次元半導体の単層二セレン化タングステン(WSe2)に強い赤外線パルス光を照射することで、電子状態において約0・15電子ボルトと大きなエネルギー構造変化を起こすことに成功した。特定の条件下で異なる変化が効率的に起こることを明らかにした今回の研究を進めることで、直接的かつ詳細に電子状態の変化を理解できるようになると見ている。

大きなエネルギー構造を電子状態に引き起こす必要があることや確立した観測手法がないため、光照射下での電子状態の時間変化は直接的にも間接的にも明らかになっていなかった。そこで研究チームは赤外光周波数の整数倍の光が生成される高次高調波発生を、赤外光パルスで駆動されている光着衣状態の時間変化を明らかにすることにした。

手法としてまず、透明な基板の上に単層WSe2をのせた試料に波長4800ナノメートル(ナノは10億分の1)の赤外光パルスを照射。試料から放射される可視光を検出することにした。結果、約0・15電子ボルトと大きなエネルギー構造変化を実現した。

成果は米科学誌サイエンス・アドバンス電子版に掲載された。

日刊工業新聞 2023年01月05日

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