"悲願”プラチナバンド取得の楽天モバイル、早期黒字化なるか
総務省は23日、電波が届きやすい周波数帯「プラチナバンド」の700メガヘルツ帯(メガは100万)の未利用帯域を楽天モバイルに割り当てたと発表した。同日開いた電波監理審議会(総務相の諮問機関)が同社への割り当ては妥当と答申した。今回申請したのは楽天モバイルだけだった。同社は悲願のプラチナバンドの取得で通信品質を向上し、早期の黒字化を目指す。
認定の有効期間は10年間。700メガヘルツ帯の3メガヘルツ幅を2枠割り当てた。開設計画によると、楽天モバイルは2026年3月ごろに今回割り当てられたプラチナバンドを用いたサービス開始を予定するとしたが、早ければ24年の提供を目指す。同計画では26年度に単年度で楽天モバイルの黒字化を目指すとした。
楽天グループの23年1―6月期のモバイルセグメントの営業損益は1850億円の赤字と設備投資負担が響き、大幅な赤字が続いている。ただ、楽天モバイルの契約回線数が500万を超えるなど通信料収入は増加傾向にある。
同社の鈴木和洋共同最高経営責任者(CEO)は「(今回の認定で)さらに高品質なサービスを提供できるようになる。加入者の数を増やして一刻も早く黒字化を目指したい」と述べた。
日刊工業新聞 2023年10月24日