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神奈川大が開発した酸素貯蔵材料、「速さ」実現した構造

神奈川大が開発した酸素貯蔵材料、「速さ」実現した構造

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神奈川大学の本橋輝樹教授、小川哲志プロジェクト助教らの研究グループは、400度C以下で短時間に酸素を吸収・放出する鉄酸化物の酸素貯蔵材料を開発した。動作温度370度Cで模擬空気中から重量比1・2%の酸素を90秒以内に吸収し、窒素ガス中で210秒以内に放出する。工業用の酸素ガスの製造コスト低減に役立つ可能性がある。

創製した材料はバリウム(Ba)、カルシウム(Ca)、鉄(Fe)、酸素(O)元素で構成する酸素欠損ペロブスカイト型酸化物。鉄イオンの周りに酸素欠損が秩序配列しており、この欠損部に酸素を取り込む。結晶構造解析で、これまでにないペロブスカイト型構造であることが判明した。研究成果は米学術誌「米国化学会誌」に掲載された。

日刊工業新聞 2023年10月13日

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